投資珍道中

統計学、確率論、心理学、ナッシュ均衡、囚人のジレンマ

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統計学と確率論は投資に役立つ

投資を行う上で、統計学(Statistics)、確率論(Probability theory)、心理学(Psychology)、ナッシュ均衡(Nash equilibrium)、囚人のジレンマ(Prisoners' Dilemma)を理解すると非常に役立ちます。

統計学や確率論はとても大切な要素で、経験的に得られたばらつきのあるデータから、数値上の性質や規則性や不規則性を見い出すことができます。 トレーダーであれば、誰しもが何らかの規則性を見い出そうとした経験があることでしょう。

統計学や確率論を投資に導入する場合は、ルールを設定しこれを守る必要があります。 設定したルールを破ると統計は成り立たないからです。 裁量やその時の気分でトレードをしたりする行為は、ルール違反となります。 基本的に、期待値が高いものに投資し続ければ、少しずつお金が増えていくようになっています。

メンタル的な要素は、統計学ではどうにもならないのが現実です。 そこで必要なのが心理学となります。 心理学と投資の関係も有名で、暴落が起こるメカニズム、パニック売り、経済心理学、自分のポートフォリオ正当化する心理、プロスペクト理論などなど様々な心理が働きます。

ナッシュ均衡は、ゲーム理論における非協力ゲームの解の一種で、いくつかの解の概念の中で最も基本的な概念です。 数学者のジョン・フォーブス・ナッシュにちなんで名付けられ、以下がナッシュ均衡の定義です。

ナッシュ均衡の定義

ナッシュ均衡の定義
参考:Wikipedia

数式だけ見るとなんのこっちゃという話ですが、ゲームに参加するすべてのプレーヤーが相互に他者の戦略を考慮しつつ、自己の利益を最大化するような戦略を実行したときに成立する均衡状態のことです。

まさに225オプションそのものと言えるでしょう。 そしてナッシュ均衡がその状況における最適なものであっても、各プレイヤーにとって最善な戦略(最大利得)を保証するものではない→これが囚人のジレンマです。

囚人のジレンマ

囚人のジレンマは、ゲーム理論や経済学において、個々の最適な選択が全体として最適な選択とはならない状況の例としてよく挙げられる問題です。 複数の人が個人的に最も得をする選択を同時にすると、個人的に損な選択をした時より、集団として悪い結果がもたらされることがあります。

例えば、値下げ競争です。 競合店よりもすこし値下げを行えば来客が増え一時的には得となりますが、競合店も同じように値を下げれば、せっかく行った値下げの効果をどちらも享受できず、結局労働に見合った報酬が得られにくくなります。

では、どのような時に、個人的には損だが集団として得となる選択を取りやすいのでしょうか。 これを検討するために意思決定研究でよく用いられるのが、「囚人のジレンマ(Prisoners' Dilemma)」と呼ばれるゲームです。

囚人のジレンマゲームは、2人が相談せずに選択を行うゲームで、相手が裏切るにせよ、協力するにせよ、自分は裏切った方が利益が大きくなるようにできています。 しかし、2人とも相手を裏切ろうとした場合、双方の利益は2人が共に協力した場合よりも少なくなってしまいます。

人は、自分の利益が増えたことに対する喜びよりも、損失が増えたことに対する否定的な感情を強く経験する傾向があるため、二者が裏切った場合に得点が引かれる(マイナスになる)場合には、二者が裏切った場合でも得点が増える場合よりも、協力行動が起こりやすいのではないかと考えられます。

囚人のジレンマ
参考:Wikipedia

誰もやらないことをやる、というのが勝つ秘訣と言われています。 この場合の「誰」とは一般大衆という意味合いです。 皆がやらないことをやる、というのは非常に勇気がいる行為であり、心理的な負担も大きいため、やはり機械的にやるほうが、余計な事を考えなくて良いとも言えます。