投資珍道中

日銀・金融政策決定会合における金融緩和の強化

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従来 増額幅 増額後
資産買い入れ
長期国債 19兆円 10兆円 29兆円
国庫短期証券 4兆5000億円 4兆5000億円
CP等 2兆1000億円 2兆1000億円
社債等 2兆9000億円 2兆9000億円
ETF 1兆4000億円 2000億円 1兆6000億円
REIT 1100億円 100億円 1200億円
共通担保資金供給オペレーション(固定金利方式)
期間3ヶ月 20兆円 20兆円
期間6ヶ月 15兆円 ▲5兆円 10兆円
合計 65兆円 5兆円 70兆円

【1】 日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、資産買入等の基金につき、以下の決定を行った(全員一致)。
(1) 資産買入等の基金を65兆円程度から70兆円程度に5兆円程度増額する。その内訳は次のとおりとする。
[1] 長期国債の買入れを10兆円程度増額する。
[2] 指数連動型上場投資信託受益権(ETF)の買入れを2千億円程度、不動産投資法人投資口(J-REIT)の買入れを百億円程度、それぞれ増額する。
[3] 期間6か月の固定金利方式・共通担保資金供給オペレーションについては、応札額が未達となるケースが発生している状況を勘案し、5兆円程度減額する。
(2) 買入れ対象とする長期国債の残存期間については、今回の増額分を含めて多額の買入れを円滑に進め、長めの金利へ効果的に働きかける観点から、従来の「1年以上2年以下」を「1年以上3年以下」に延長する。 社債についても、長期国債と同様に、買入れ対象の残存期間を延長する。
(3) 基金の70兆円程度への増額は2013年6月末を目途に完了する。なお、本年末時点における基金の規模は従来通り65兆円程度とする。

【2】次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針については、「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す」ことを決定した(全員一致)。

【3】海外経済をみると、欧州債務問題が金融市場に大きな混乱をもたらすリスクは低下し、米国経済も緩やかに回復している。 こうしたもとで、わが国の経済は、なお横ばい圏内にあるが、前向きの経済活動に広がりがみられるなど、持ち直しに向かう動きが明確になりつつある。 経済の先行きについては、本日公表の展望レポートで点検したとおり、新興国・資源国に牽引されるかたちで海外経済の成長率が再び高まり、また、震災復興関連の需要が徐々に強まっていくにつれて、緩やかな回復経路に復していくと考えられる。 消費者物価の前年比は、マクロ的な需給バランスの改善を反映して、展望レポートの見通し期間後半にかけて0%台後半となり、その後、当面の「中長期的な物価安定の目途」である1%に遠からず達する可能性が高い。 やや長い目でみれば、日本経済が物価安定のもとでの持続的成長経路に復する蓋然性は高いと考えられる。

【4】日本銀行は、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買入れ等の措置により、強力な金融緩和を推進している。こうした日本銀行の政策は、長めの金利およびリスクプレミアムの低下や、金融市場の安定等を通じて、経済活動を支えている。 また、実質的なゼロ金利政策等の推進は、景気の改善につれてその効果が強まっていくと考えられる。 本日決定した金融緩和の一段の強化は、これまでの措置の累積的な効果と併せ、日本経済が物価安定のもとでの持続的成長経路に復することを、さらに確実なものにすると期待している。

【5】上記の強力な金融緩和の推進に当たり、日本銀行は、金融面での不均衡の蓄積を含めたリスク要因を点検し、経済の持続的な成長を確保する観点から問題が生じていないかどうかを確認していく。 わが国の財政状況が厳しく、そのもとで日本銀行が強力な金融緩和を推進していることを踏まえると、財政の持続可能性に対する市場の信認をしっかりと確保することが、金融政策の効果浸透や、金融システムの安定および経済の持続的な成長にとって、きわめて重要である。

【6】デフレからの脱却には、急速な高齢化のもとでの趨勢的な成長率の低下という、長期的・構造的な課題への取り組みが不可欠である。 こうした課題を克服し、新たな経済成長の基礎を築いていくためには、民間企業が付加価値の創造力を高め、外需の取り込みや内需の掘り起こしを進める必要がある。 また、このような企業の前向きな活動を支えていくために、政府が環境整備に努めることや、民間金融機関が成長基盤強化に向けた取り組みを行うことも重要である。 このように、民間企業、金融機関、政府、日本銀行がそれぞれの役割に即して取り組みを続けていくことによって、デフレ脱却は実現していく

引用元:日本銀行

期待していた以上の発表は無く、マーケットはどちらかというと失望売りに押される形となりました。 しかし、金融緩和は続けるので、まだまだ上がるのでしょう。 安いところがあれば拾っていきます。