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確定拠出年金(401k)、小規模企業共済、国民年金基金で所得控除

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国民年金や厚生年金だけでなく、任意で加入できる年金や共済制度があり、掛け金全額所得控除できるため、大きな節税効果が期待できます。

代表的な「確定拠出年金(401k)」「小規模企業共済」「国民年金基金」を比較してみます。

確定拠出年金、小規模企業共済、国民年金基金、比較
確定拠出年金(401k) 小規模企業共済 国民年金基金
拠出可能額
(月額最大)
68,000円
(年金基金と合算)
70,000円 68,000円
(確定拠出年金と合算)
予定利率 自分の運用成績 1%
変動有り
1.75%
加入時の利率が続く
インフレ対応 ×
掛金変更
(減額・増額)
年1回まで 申請が通れば可能 月1回まで
途中解約 資産額が50万円以下または資産残高が1.5万円以下であれば脱退可能 自己都合で20年以内の解約は元本割れ
廃業届を提出すれば元本割れ回避可能
最低額は納める必要あり
借入 不可 掛金の範囲内で貸し付け。利率は年1.5% 不可
破綻リスク なし 不明 不明

確定拠出年金(401k)のメリット

確定拠出年金(401k)は、自分で投資先を選択できるので、インフレにも対応可能です。

確定拠出年金(401k)のデメリット

運営手数料や、投資信託手数料が毎月とられ、結構なコスト負担になります。 現在は凍結中ですが、特別法人税(年1.173%)もとられる可能性があります。 この特別法人税は利益が出た額に税金がかかるのではなく、拠出額全額に対して税金がかかるのでとんでもない極悪な税とも言えます。

凍結ではなく撤廃すれば加入者が一気に増えると思いますが、未だに凍結には至りません。 受取時までの期間が数十年ある人には少々リスクが高いです。 銀行の定期金利の利息が1.173%を上回る状況になるまでは、凍結される可能性が高いですが、どうなるかは不明です。

確定拠出年金(401k)のおすすめの金融機関

※2014年の調査時点です。 信託報酬は常々変わりますので、最新版は提供元のウェブサイトでご確認下さい。

投資金額が増えると、信託報酬のコストが負担になるので、信託報酬の安い野村證券。 投資金額が少なく、定期預金などで運用する場合はスルガ銀行。 SBI証券は中間に位置します。 300万円以上運用するならば、野村証券。 それ以下ならばSBI証券。 無リスク資産ならばスルガ銀行。

小規模企業共済の加入資格

  1. 建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社の役員。
  2. 商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社の役員。
  3. 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員や常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員。
  4. 常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員。
  5. 常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員。

上記1、2に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)。

小規模企業共済のメリット

個人事業主やフリーランスであれば、大きな節税対策が可能になります。 小規模企業共済に加入するには、開業届を提出する必要があります。 廃業届を提出しなければ、途中で就職しても続けることが可能です。

小規模企業共済のデメリット

拠出額を減額すると複利効果が薄れるので、減額はしないように最初の拠出額を考えてから加入することが大切です。 自己都合で途中解約すると元本割れしてしまうので注意しましょう。(対策として、廃業届を提出することで元本割れせずに利息付きで受け取ることが可能となります)

拠出可能額(月額)

確定拠出年金と国民年金基金は合わせて月額最大68,000円までしか拠出することができないので、国民年金基金はわざわざ選択するほどの価値はありません。 また、国民年金付加保険料を払っている場合は、月額最大67,000円までとなります。

フル節税対策

確定拠出年金と小規模企業共済はそれぞれ別扱いなので、両方加入することが可能です。

確定拠出年金68,000円+小規模企業共済70,000円=合計138,000円(月額最大)

1年間の拠出で1,656,000円

これだけ控除されればかなり税金が抑えることが可能となります。

「小規模企業共済制度」改正のお知らせが届いた

以前からWEB上では発表がありましたが、改めてハガキにて改正内容のお知らせが届きました。

制度改正の実施時期は平成28年春以降となる見込み


1. 共済事由の一部が見直されます。

1-1. 個人事業主のお客様が「配偶者又は子に事業の全部を譲渡した場合」の共済事由が「準共済事由」から「A共済事由」に見直され、共済金額が引き上げられます。

1-2. 共同経営者のお客様が「個人事業主の配偶者又は子への事業の全部譲渡に伴い、配偶者又は子へ事業(共同経営者の地位)の全部を譲渡した場合」の共済事由が「準共済事由」から「A共済事由」に見直され、共済金額が引き上げられます。

1-3. 会社等役員のお客様が「会社等役員の退任(疾病・負傷・死亡・解散を除く)」のうち、「会社等役員の退任日において65歳以上の場合」の共済事由が「準共済事由」から「B共済事由」に見直され、共済金額が引き上げられます。

(注)1~3、それぞれ改正後に、事業を譲渡した場合、会社等役員を退任した場合が、見直しの対象となります。済事由の一部が見直されます


2. 分割共済金の支給回数が年6回となります。

共済金を分割(10年または15年)で受け取る場合の支給回数が、現在の年4回から年6回(奇数月)となります。

※共済金の受け取り方法は、一括受け取りと分割受け取りが選べます。 (注)改正後にご請求いただいた共済金から適用されます。


3. 共済金を受け取れる遺族の範囲が広がります。

契約者が亡くなった場合に共済金を受け取れる遺族として、「契約者の収入によって生計を維持されていなかった【ひ孫】と【甥・姪】」が追加されます。

(注)改正後に契約者が亡くなった場合から適用されます。


4. その他、制度の改善が図られます。

4-1. 掛金月額を減額する際の要件(経営の悪化等)が廃止されます。

4-2. お手続きの際に現金がなくても、掛金月額を増額できるようになります。

4-3. 災害などやむを得ない未納の場合について、掛金の滞納による共済契約の解除の取り扱いが緩和されます。

必要な手続きはございません。


共済事由は【A】>【B】>【準】のように、貰える額面が違います。

該当すれば、共済事由が変わり(1ランクアップ)、受け取れる共済金の額が増えます。

掛金を増やしたり、減らしたりするのが簡単になりました。

小規模企業共済は、節税対策にはピッタリの制度ですので、加入資格がある方はこれに入らないと勿体ないです。 確定拠出年金(401k)はリスクもあるので、安全志向の方には小規模企業共済の方が向いているでしょう。 小規模企業共済はインフレ対応できないので、将来のインフレ予測するならば401kの方が良いかもしれません。 私は、小規模共済に掛けています。