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【日銀】
本日の日銀会合では、追加緩和は株価指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れ増額と米ドル資金供給枠の拡大が決定され、年間買い入れペースを現行の3兆3000億円から6兆円に倍増。
不動産投資信託(REIT)は900億円のまま据え置きとなった。
これを受け、銀行株や証券株が大幅上昇した一方で、不動産株は弱くなりました。 マイナス金利導入後、リートは堅調推移していたため必要以上に買い入れ増額する必要は無いということです。 日銀としても、ヘリコプターマネーや、為替に直接介入(円安誘導)はできないので、ETF買い入れ増額くらいしかもう手立てがないといったところでしょう。
また、米ドル資金供給枠の拡大政策を打ち出したことにより、ドル調達レートが下がり、マイナス金利で銀行にかかる負担を軽減させるもの(すなわち銀行株の下落に歯止めをかける目的)とみられます。 マイナス金利の深堀りは行われませんでしたが、今後やらないというわけではありません。
【政府】
政府は経済対策として、低所得者向けに1万5千円の給付方針を決めた。
その給付対象は2200万人となる。
たかが1万5千円を1回ぽっちでは生活は変わらないでしょう…。 給付対象の低所得者が、その1万5千円を使い切ったら、金を使わない元の生活に戻るだけです。 毎度のことながら、少額給付金を行うたびに人件費・税金が嵩むのだから、チマチマした金を給付する本当の目的は何なのでしょうか。 (低所得者層)生活がカツカツになっている状況で、さらに増税で追い打ちをかけるために行う救済策であり、こんなものを経済対策などと呼ぶのは疑問です。 どうせなら150万位やってみたらどうですか。 その財源は政治家の有り余るポケットマネーで。
【公的年金】
運用損5.3兆円。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、公的年金の2015年の運用実績が5兆3098億円の赤字になったと発表。
これは2015年の実績なので、本年度はさらに株価が値下がりしているため、赤字は拡大していると思われます。 この公的年金の損失をカバーする目的で、日銀はETFの買いをぶつけてきたのか、安倍総理から株価だけは支えろと言われているのか、どうも本質的な景気回復を目指しているような政策も見えてきません。 政府日銀間の協調性というには程遠く、黒田総裁とて渋々やらされている感が垣間見えます。 先日のバーナンキもただの演出なのでしょうか。
日経平均株価チャート【エンベロープ+ボリンジャーバンド】(日足) 2016年7月29日(金)
ほぼ平行線になってしまったため、ボックスということになります。 上値は18,000円~下値は14,800円。 ただし、上値は徐々に切り下げてきているため基本は下落トレンド。
1年間で20,946円から14,864円まで約6,000円も値幅を出して下げてしまったので、短期間でこれ以上下げるのはエネルギー不足というもの。 となると、しばらくは約3,000円幅の大きなボックス圏で揉みあいが濃厚。
日経平均株価チャート【移動平均線】(月足)2016年7月29日(金)
16,560円が重要な分岐ラインとなり、ここを維持できるようだと、下落トレンドは暫くおあずけに。 大きな流れとしては下方向。
日経平均株価チャート【一目均衡表】(日足)2016年7月29日(金)
こちらもまた、微妙なところを行ったり来たり。 明確に抜ける感じではない。
まとめると、
17,292円 200日移動平均線
16,569円 終値
16,560円 5ヶ月移動平均線
16,556円 一目転換線
16,542円 5日移動平均線
16,504円 一目先行下
16,374円 75日移動平均線
16,003円 25日移動平均線
16,094円 一目先行上
15,901円 一目基準線
16,500円付近が密集地帯で、上下1,500円程度中心攻防。
騰落レシオ:116.97
プットコールレシオ:83.62%
騰落レシオ、プットコールレシオともに、短期の過熱感は無くなりました。 ボックス想定で、上限付近では売り、下限付近では買いを淡々と繰り返すのみ。 日銀会合後は、ドルの下落に対し、日経は下がらなかった。 いずれこの鞘は、早い段階でHFにより解消させられると見ますが、日銀がどこまで本気か試されています。